インターンシップを考える

Portrait of young businesswoman fill the form while sitting at office.

インターンシップとは、「自分の専攻やキャリアビジョンに関連する業界の企業や公的機関に研修生として一定期間入り、実務研修をする制度」のことです。インターンシップ体験の有無は履歴書や入社面接の際に自己アピールできる魅力的な制度でもあり、自分のキャリアを見極める上でも具体的な就職準備となります。インターンシップに参加している学生のほとんどは学部3年生で、翌春からの就職活動対策として、夏休みに行っているケースが全体の7割を占めています。

インターンシップの機会が限られている国内では、人気が高いだけに競争が厳しく、誰でも参加できるというわけではありません。インターンシップを導入している企業でも、中には単なる企業見学のような体験しかできないところがあったり、研修期間も数日~数週間程度と短期のものが中心だったりと、実際のビジネス体験にはほど遠いという声もあがっています。

インターンシップの本場であるアメリカでは、1960年代から大学と企業側が協力関係を結んで制度が発展してきました。大多数の大学が教育課程でインターンを組み込んでおり、単位として認可しています。大学生が社会に出る前に数カ月の実務研修を受けることはすでに常識となっており、多くの優良企業がインターンシップを導入し、ほとんどすべての業種でインターンシップ制度を利用することができます。

  • 国際派を目指すなら海外インターンシップに注目

将来、国際的な環境で仕事をしたいと考えている人には、ぜひとも海外でインターンシップを経験することをおすすめします。現地企業の中に入ってスタッフの一員として仕事をすることにより、ハイレベルなビジネス英語が磨かれるだけでなく、外国企業のビジネスのやり方を目に当たりにする貴重な体験ができるのです。さらに、異なる文化や習慣、国境を越えた人とのつながりをビジネスの現場で学ぶことができ、国際感覚とビジネススキルを同時に身につけられるなど、国際派を目指す学生にとって、海外インターン体験が将来への大きな投資になることは間違いありません。

急速に経済のグローバル化が進む中、海外で培った国際感覚、専門分野における広い視野、コミュニケーション能力を持った、世界に通用する人材に対するニーズが、日本企業において一段と高まってきていることも事実です。
こうしたビジネス環境をとりまく変化は学生の意識にも大きく影響し、近年、海外でのインターンシップを通じたキャリア構築がにわかに注目を集め、国際社会でのインターン体験を就職に生かそうという考えを持つ大学生が急増してきているわけです。

海外インターン体験を成功させるには、まず、自分がどのような業種・職種にてインターンシップをしたいかを、できる限り明確にイメージしておくことが大切。希望する業種に強い興味や熱意を持っていれば、研修先に対して自分を積極的にアピールでき、インターンシップ開始後も、そのパフォーマンスによってはアシスタント以上の仕事をするチャンスが巡ってくる可能性もあります。

  • 海外インターンシップを扱う留学エージェントや団体を利用する

海外インターンシップ体験者は、インターンシップを紹介する留学エージェントを利用した人が大多数を占めています。留学エージェントとは、留学の相談や斡旋を行う会社のことですが、その一部には、留学に加えて海外インターンシップの相談や斡旋を展開しているところもあります。

留学エージェントには公的な機関と民間の機関がありますが、その2つの違いは、留学手続きの代行サービスを行っているか否か。たとえば、公的な留学機関の日米教育委員会などでは情報提供のみを行い、営利目的の代行サービスは実施していません。一般に留学エージェントとは、民間の会社のことを指します。
留学エージェント以外に「アイセック・ジャパン」などに代表されるNPO団体や国際交流団体でも、さまざまなインターンシッププログラムを実施しています。

留学エージェントや国際交流団体を利用する場合、参加者が主催者に参加費用を支払い、海外の派遣先を紹介してもらうシステムになっています。一般的に、参加費用には登録費、プログラム運営費、滞在費などが含まれ、渡航費や食費などは別途になっているものがほとんどです。費用は、参加するプログラムや研修内容、期間によって大きく異なりますが、概してビジネス系プログラムは高めで、国際協力・交流関連プログラムなどは比較的安めです。プログラムによっては、TOEFLなどのスコアの提出や学歴などの条件があるものもあり、インターンの派遣先は、受け入れ側のニーズと照らし合わせたうえで決定されます。

  • オーストラリアのインターンシップ事情

日本語や日本文化を教える教育関連のインターンシップを体験する機関は多いものの、一般企業でのインターンシップなどは、アメリカと比べるとチャンスは少なくなります。しかし、公立の専門学校であるTAFEや私立の専門学校では、実務スキルの訓練の一環として、コースの中にインターン研修を義務づけている学校が多く、短期のコースなども提供されています。日本の留学エージェントには、オーストラリア現地の専門学校とタイアップし、インターンシップを経験できるプログラムを斡旋しているところもありますから、こうしたプログラムに参加するのもひとつの方法です。

観光大国オーストラリアの人々は、世界各地から訪れる留学制に対してもフレンドリーに接してくれ、そこが人気の理由でもあります。米国や英国に比べ、物価が安いのもメリットです。人口のほとんどが集中している東海岸沿いの東南部、年間を通じて温暖なシドニーやメルボルンなどの都市に英語学校が集中しており、日本人留学生やワーキングホリデーメーカーもこのエリアに多く滞在しています。

【 オーストラリア留学のためのTOEFL&IELTSスコア 】
大学 TOEFL 500~600点以上 IELTS 6.0~7.0ポイント
TAFE TOEFL 450~550点 IELTS 5.0~5.5ポイント

  • インターンシップの種類

海外インターンシップの種類をその内容で見てみると、大きく分けて「ボランティア」「カルチャー」「教育関連」「ビジネス」の4つに分類されます。

■ ボランティア系インターンシップ
世界各地のNPOやNGO、民間施設などで、ボランティアを行う体験型のインターンシップ。国際交流や文化・芸術支援、自然・環境保護、社会福祉などの非営利団体で働くものと、保育園や託児所などで子どものケアをするプログラムなどがありますが、体力を必要とする仕事が多く、派遣先によってはハードな生活環境に置かれることもあるので、覚悟が必要です。派遣先は、アジア、アフリカ、中南米、中近東などの開発途上国がメイン。世界各国からの参加者とチームを組んで、共同作業にあたり、海外ならではの国際協力・交流が体験できます。

■ カルチャー系インターンシップ
海外で生活をしながら、ガーデニングや工芸など、その国ならではの伝統文化を学んでいくのが、カルチャー系インターンシップです。職人的な技術を身につけ、将来その技術で独立したいと考える人には、海外でのインターン体験はいいステップとなるでしょう。

■ 教育関連インターンシップ
海外の学校(小学校、中学校、高校、大学、日本語学校などの教育機関)で、日本語や日本文化を教えるインターンシップ・プログラム。専任の先生や講師のアシスタントとして、発音のデモンストレーションをしたり、日常会話を教えるのが主な内容です。プログラムによっては、1人でクラスを受け持つこともあるほか、折り紙や書道などの伝統文化を紹介することもあります。

■ ビジネス系プログラム
海外の企業や団体で、現地の社員の中に入って現場のビジネスが体験できるプログラム。本来の意味でのインターンシップはこのビジネス・インターンのことを指しており、将来のキャリアを真剣に考える大学生に非常に注目されているプログラムです。派遣先は参加するプログラムによって異なりますが、たとえばマスコミ志望の人は広告代理店や出版社、システムエンジニア志望の人はIT企業というように、一般企業からホテルなどの旅行分野、教育機関やNGO、NPO団体、商社・貿易、製造、金融、法律、デザイン・ファッションなど、多岐に渡っています。インターンシップ制度を利用して企業に入ると、通常はアシスタントなどのエントリーレベルの業務を担当することになりますが、能力や意欲次第では、それ以上の仕事を任せてもらえる可能性もあります。
ビジネス・インターンシップの本場であるアメリカですが、イギリスやオーストラリアなどでのインターンシップも増えてきています。

国際派を目指すなら海外インターンシップを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献
ICC国際交流委員会『大学生のための海外インターンシップ』三修社、2004年

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